数年前からだんだん背中が曲がってきて足腰が弱ってきた母。
母は、私が幼い時から人一倍体力があり、
一緒に街にショッピングなどに出かけて一日中歩き回って、疲れ果ててしまうのは必ず私でした。
母は、一日歩き回ったショッピングから帰っても、休むことなくそのまま晩御飯の支度をはじめていた。
私はそんな母が老いていくなんてその時は考えもしなかった。
そんな母親の背中が曲がり始め、歩く速度も以前よりずっと遅くなり、数分も歩くと疲れた様子を見せる。
そういう母の姿を見ていて、少し悲しくなり、
寂しくなりつつも何か歩行をサポートできるものはないかと考えていた。
母は、長年障害を持つ父親の介護をしていました。
いつも父親の乗る車いすを押して病院への通院をしたり、父親と一緒に愛犬を連れて散歩をしていました。
「パパの車いすを押していました時は、いくらでも歩けた。」と言っていたことを思い出した。
車いすを押すことが、歩行の際の足腰負担の軽減になっていたのだと思った。
お年寄りがよく街中で押しているシルバーカーだったら、
その変わりになるのではと思い、さっそくネットで検索して調べてみました。
シルバーカーと言っても本当にいろいろある。どれがいいのかさっぱり分からない。
実際に使用した人の口コミをひたすら読んでみたり、
シルバーカーではなくて、歩行を本格的にサポートする歩行器の方がいいのではないか。
など、ほんとうにいろいろ調べました。
そして購入したのが幸和製作所の黄色いシルバーカーでした。
なぜ幸和製作所かと言うと、以前会社を紹介しているのを
テレビで見てシルバーカーを作ることになった経緯を知ったからです。
歩くことが困難なお年寄りのために試行錯誤を繰り返した
この会社の商品だったら、きっと信頼できると思ったのです。
そして黄色かというと、母はもうおばあちゃんですが自分では若いつもりらしく、
年寄りくさいのはいやだというので、できるだけ明るいおしゃれなものにしたのです。
はじめて使うシルバーカーは、折り畳み式で、ストッパーもついていてしっかりとした造りでした。
しっかりとした造りの割りには軽量です。買い物をした後の荷物の入れるところもあり、
ちょっと疲れたときには、荷物を入れる部分を倒して椅子にもなります。
さらに杖をひっかけるところまでありました。
まず、高さを母の背に合わせ、シルバーカーのしくみを知ってもらうべく、
何度も折りたたんだり、椅子を出してみたりしました。
今ではそのシルバーカーを押して、毎日愛犬を連れて散歩にでかけます。
ご近所の人から「まあ、ええもん押してはるなあ。」なんて言われて少し自慢げな母親です。
もう以前のように母と買い物もできないかなあ。
あきらめかけていたのですが、そのシルバーカーで、デパートなどにも出かけるようになりました。
ただ電車などに乗り降りする時にはシルバーカーを持ち上げなくてはなりません。
エレベーターのないところでは階段の上り下りもシルバーカーを持ち上げないといけません。
何度も何度も持ち上げていると、もう少し軽いとありがたいな。と思うようになりました。
さらに言うと、もう少しコンパクトに収納できれば、
これを持ってまた母とどこへでも行けるのに。と思ってしまいます。
それでも駅からかなり距離のある父親のお墓参りにもシルバーカーを押して行くことができました。
きっと父親も空の上から母が元気に歩いているのを見てくれていることでしょう。
母は、「このシルバーカーがあったら、いくらでも歩けるわ。」と言ってうれしそうです。
元来、出かけるのが好きな母なのでできるだけ長い間歩くことができたらいいな。と願っています。
シルバーカーが我が家にやってきて数年経ちますが、
今では朝夕の愛犬の散歩には必ずシルバーカーと一緒におでかけしています。
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