基本的に、この場合で言う「室内用車椅子」とは外以外の全てを指します。
病室内もそうですし、自宅内でも施設内でも室内には変わりありません。
そして、特に外出用車椅子と室内用車椅子の明確な線引きがあるわけでもありません。
室内用車椅子でも悪路を通らなければ外出できます。
全く使えないというわけではありません。
あくまで販売側が、どちらかと言うと室内での使用に適している車椅子ですという
ジャンル分けをしている程度だと考えてください。
では、外出用と室内用で分けられている違いを見ていきましょう。
・背中への配慮
特に外出用と違い重視されているのが、背中へのサポートです。
背もたれは真っ直ぐでは腰痛や肩こりの原因となり、
かといって丸過ぎては座ったときに安定しません。
背中が曲がっている(円背)の方専用の車椅子も多数存在します。
全ての室内用車椅子ではありませんが、その多くは
人間の背中の形にぴったり合うように作られているのが、室内用車椅子の特徴です。
そして何より重要なのが、持ち運びできる程度の重さである事。
日本の家屋はどうしても狭い為、室内での移動は大変です。
大体15kgを上限として、高齢者や女性の方でも持てるものになっています。
(スイングアウトなど移乗機能や、六輪タイプなど特殊な機能が付いたものに関しては、この限りではありません。)
・室内用車椅子は、タイヤが小さい事も特徴の一つです。
とにかく狭い室内で簡単に曲がれるように設計されているので、外出用より一回り小さい物が多いでしょう。
また本体自体もコンパクトに設計されていて、奥行き、 横幅共に40cm程度になっている事が多いです。
そしてタイヤの数が多く、外出用より小さなタイヤが複数ついている六輪タイプもあります。
これが中々のもので、六輪とそれ以外では室内での小回り性能が大きく違います。
室内用に限らず、車椅子の選び方は使用用途をはっきりさせる所から始まります。
まずは自分がどのような使い方をするのかを考えてください。
長時間座る事が多い方は、何より背中の負担を第一に選んでください。
座っていて疲れない事を最優先に考えた車椅子選びが重要です。
シートがクッションになっているタイプや、体に合わせて背もたれの張り、 高さが調節できるものが望ましいです。
介助側の方が選ぶ場合は、
自宅作業用のローラー椅子を選ぶのと同じ感覚でいいと思えば、わかりやすいと思います。
そのままの姿勢が保てない方は、座っている面の角度を変えることができるティルト機能が付いているタイプがお勧めです。
ノーマルタイプより多少高くなりますが、
大体一万円前後の差なのであまり気にする事もありません。
逆に短時間、つまりベッドからトイレの移動等がメインの方は、
乗り降りのしやすさを重視してください。
肘掛けが外せる横からでも降りられるタイプや、
正面からの乗り降りがしやすい足台スイングアウトが付いているタイプなどが短時間使用に向いています。
前述の六輪タイプは、まさにこの短時間使用にうってつけです。
そして大体、この三つの機能は全部付いています。
メーカー側も、短時間使用と長時間使用に分けて作られているので これがあるけどあれは無いということはほぼありません。
また値段も、長時間用の半額程度で買えることが殆どです。
長時間用が16万円前後なのに対し、短時間用は8万円前後で購入できます。
あと、どちらを選択するにしてもなるべく軽い車椅子を選ぶ事をお勧めします。
最近は10kg前後が室内用のメインとなっており、誰でも運べる重さになっています。
ですが外とは違い、室内は自由に肩に担げるとは限らないので10kgでも苦労します。
自宅内、特にトイレ付近が狭い方は軽量の車椅子を選んでください。
室内用車椅子は、闇雲に安いものを買えばいいというものではありません。
医師とも相談し、自分の身体、使用用途に合ったものを選択してください。
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