まず室内用車椅子購入にあたり必要なのは、
商品を選ぶ事と思いがちですが違います。
自宅内で、室内用車椅子が使えるかどうかの判断からしなければいけません。
購入前に、自宅のありとあらゆる場所の広さを測ってください。
バリアフリー設計の住宅であれば全く問題は無いのですが、
基本日本の住宅は古ければ古いほど狭い傾向にあります。
室内用車椅子でも、横幅は60cm以上、高さは約1m程度は必ずあります。
高さは問題ないとしても、この横幅が要所要所で問題になってきます。
曲がる事も含めて、通路が大体1m以上の幅が絶対に必要です。
それ以下の場合、自宅での車椅子の使用は非常に困難です。
簡単に確かめる方法として、自宅に作業用のローラー椅子をお持ちの場合、
介助者の方が座りながら自宅を一周してみて下さい。
全て問題なく通れたのであれば、
おそらく室内用車椅子の使用に問題はありませんが、
そういう住宅環境の方は稀だと思います。
だからと言ってバリアフリー住宅にリフォーム、
とできる方ならいいのですが、普通は厳しいでしょう。
なので対応策として、家具の配置を変えることをお勧めします。
どうして1mの余裕が取れていないのか、
それは殆ど家具がスペースを圧迫しているからです。
始めから1mの幅が無いというのは、ゼロとは言い切れませんがそうは無い筈。
廊下に簡易棚などを配置している場合は、他の場所に移してください。
その後、もう一度ローラー椅子で通ってみれば、
ある程度室内用車椅子が使えるかどうかが分かると思います。
そして、この住宅スペースを空ける時にどうにもならない箇所が二つあります。
それが、トイレとお風呂場です。
まずトイレは室内用車椅子とはいえそのまま入る程広いスペースであることは滅多にありません。
ほぼドアの手前で降りてからの使用になりますが、トイレ前のスペースというのは基本狭いです。
加えて手前に引くタイプのドアの場合、更に車椅子のスペースは狭くなります。
そしてトイレ以上に大問題なのがお風呂場で、 基本狭い上にこちらは家電(大体は洗濯機)が移動できません。
洗濯機は水道の都合上そこにしか設置できず、肝心のお風呂場のドアもとても狭いです。
洗濯機以外のものは撤去して、 折り畳み車椅子の収納スペースにするくらいしか手段は無いと思います。
この二点は、どうしてもリフォームが必要かもしれません。
逆に言えばバリアフリー住宅を考える際に、まずこの二つが最優先です。
それを踏まえた上で、室内用車椅子を選択してください。
とはいえ前述の問題点を考えれば、選ぶポイントはおのずと限られてくる筈です。
まずコンパクトで、できれば軽量であることが最優先でしょう。
長時間、車椅子に座りながら事務仕事などをされる方はクッション重視がいいと思います。
特に背中への負担を軽くしてくれるタイプがお勧めです。
ティルト機能付きの車椅子は、自分で姿勢を変えなくても楽に作業ができます。
逆に短時間、トイレやお風呂場での移動時メインに使われる方は小回りを重視して下さい。
特に狭いところでの方向転換が効きやすい六輪タイプは、 他の室内用車椅子と比べても動きやすさが段違いです。
予算に余裕がある方は、こちらをお勧めします。
そして優先順位の一番下に来るのは値段です。
車椅子は使用者にとっては自身の手足といってもいいものです。
そこを妥協して身体に合わない安い車椅子を買ってしまえば、 リハビリどころか症状の悪化の恐れすらあります。
ここは保証制度や分割を駆使してでも、自分に最適な車椅子を選んでください。
© 2013-2023 Next care innovation Co., Ltd.