代表取締役である山﨑隆氏は、『週刊現代』で「対話をしなければ最適な商品は作れない」と述べています。
例えば、実際に車いすをご利用になられる方に率直に何か困りごと・不安点を聞こうにも躊躇してしまうところを、
カワムラサイクルの営業の方は平然と聞かれるとのことです。
ここだけ抜き出してしまうとぶしつけであるとか失礼な印象を受け取ってしまうかもしれません。
しかし、山﨑隆氏曰く「言いにくい雰囲気を作らなければいい」とのこと。
障がい者の立場を慮ってばかりでは良い商品は生まれません。むしろ、その慮る空気が障がい者の方にとってはイヤなのです。
また、山﨑氏はご自身の強みを「誰とでも親しくなれる」と自負されています。
この言葉からカワムラサイクルは風通しの良い、意見の言いやすい企業だといえます。
会社は社長一人のものではなく、経理・技術・開発・企画などたくさんのセクションがありそこにはたくさんの人々がいます。
人々がいるということは個々の意見や提案があります。しかし、それを吸い上げるアクションがなければ、良いアイディア・商品は生まれません。
山﨑氏は、会議などでも聞くことを恥ずかしがらないことを重要視し、それぞれの道のプロと話しながら社の方針を決めているようです。
これは簡単なようで、とても重要な戦略法ではないでしょうか。
もちろん、製品としての安全性や耐久性の向上により信頼を地道に勝ち得てきた点もあるかと思います。
しかし、企業としての最たる方法として現場主義であること、対話を大事にすること、声なき声を拾うことで抜本的な処置を施し、
ここまでの急成長を遂げたのではないかと推察します。
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