二輪車事業で花を咲かせたカワムラサイクルは、その後の辛い時期を乗り越え
「車椅子」という新しい分野で活躍をはじめています。
そんなカワムラサイクルは、新しいタイプの車椅子を開発するにとどまらず、
多くの製品開発に着手。そんなカワムラサイクルの挑戦について、ご紹介をしてみたいと思います。
介護をする人にとっても、される側にとっても、まず「難題」と言われるのが「お風呂」
実は、入浴というのはお年寄りや障碍者にとって非常にものだと言われています。
例えば、お風呂のタイルというのは濡れると滑りやすくなるものが多いですよね。
お年寄りが転倒すると骨折しやすいですし、治りにくいことでも知られていて、
最悪の場合寝たきりのきっかけになってしまうこともあります。
入浴中のお湯の温度にも危険がいっぱい。
入浴中のお湯の温度と出た時の脱衣所の温度の違いは、
脳卒中をはじめとする脳の病気を誘発する可能性もあり危険だと言われています。
他にも、お湯の中に入るときに転ぶなどしてしまうことがありますので
その様な可能性も踏まえて「介護をされる人の安全」を考えつつ入浴をさせなければなりません。
この様に危険なお風呂場は、介護される側の緊張がおおきくなるだけでなく、介助者の負担もおおきくなります。
そんなお風呂を安全に快適に楽しめるように、カワムラサイクルが開発したのが「お風呂用の車椅子」。
これは、背もたれや椅子部分がプラスチックでできている車椅子のことで、お風呂に入って濡れたとしても水分を拭き取ることが可能です。
この車椅子に介護を必要な人に座ってもらって、介助者がおしてお風呂に入る。
この車椅子なら座ったままシャンプーや体を洗うことが可能ですから、手間をかけずにお風呂の時間を終わらせることができるでしょう。
もちろん、湯船に入るときなどは手助けが必要になりますが、体を洗う間だけでも手間が減ることや安全性を保てることは、介助者にとって非常に大きなメリットとなるはず。
介護される側とする側、どちらの生活も明るいものにしてくれること間違いなしです。
カワムラサイクルでは、他にも「三人乗り自転車」などの開発に乗り出しています。
子供が二人いる家庭の場合、ママが自転車の前と後ろに子供を乗せて走る…という光景をわりと見かけますよね。
でも、この乗り方が「危ない」と指摘され、一時期は禁止される可能性もありました。
子供が二人いたら、二人を自転車に乗せなければ移動が難しくなります。
でも、前と後ろに子供を乗せるとバランスをとることが難しくなり、事故の危険が大きくなることも現実ですよね。
そこで、カワムラサイクルでは「子供を前と後ろに乗せても安全な、四輪自転車」を開発。
これがあれば、ふらつかずにハンドルをとることができますので、子供を乗せた時の安全性も高まります。
仕組みは、後輪の左右に小さ目の車輪がふたつついて、支えるような形。
四輪自転車というと、前と後ろに二つずつ車輪がついていると考えられがちですが、
そうではなく前輪後輪で1:3の車輪の付け方をすることで、バランスをとりやすくしています。
さらに驚きなのは、子供を前後に乗せるのではなく「後ろに2人乗せる」というアイディアです。
従来の自転車の場合、前と後ろに子供を乗せる形でしたが、
これが自転車走行が不安定になる理由として挙げられていました。
そのため「前後に子供を乗せるのではなく、
後ろに二人の子供をのせることができる設計にする」ということで、不安定さを解消したのです。
さらに、後輪にタイヤをふたつ追加することでバランスもとりやすくなり、快適な操縦を可能にしたのです。
もともと倒れない設計になっているので、スタンドも必要なし。
まさに安定性抜群の自転車と言えるでしょう。
実際にこの自転車に乗ったママにも「走りやすい」
「安定しているので、安心して自転車をこぐことができる」など、評判は上々。
ママたちの子育てが楽になる自転車をというコンセプトでも考えられた自転車は、
今後も多くのママを助けていくでしょう。
利用者が車椅子に乗ったまま車を走らせる場合、やはり重要になってくるのが「車椅子の質」です。
車というのは意外に衝撃があるもの。急に止まった時など、体に衝撃を感じることがありますよね。
カーブを曲がる時にも、乗っている人の体が自然に傾きます。
この様な衝撃で車椅子が壊れてしまうと、せっかく目的地に到着しても
移動ができないということになりますし、車に乗るたびに壊れる心配をしなければなりません。
そこで、カワムラサイクルでは「衝撃に耐えることができる頑丈な車椅子」であることはもちろん、
車いすをきちんと車の中に固定することができる様に工夫も行いました。
こういった工夫が、車椅子に乗りながら車に乗用する人の負担を軽減しているのです。
車椅子に乗る人の負担の軽減と、車椅子が衝撃に負けないような工夫をすることで、
その人がより生活しやすいようにという気持ちが生み出した車椅子なのです。
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