叔父が脳梗塞になり、リハビリ施設にお見舞いに行く事になりました。
久しぶりに会った叔父は椅子に腰かけていました。
心なしか、少し痩せたような気がします。
大丈夫なんだろうか…顔に出してはいけないと分かっていても、心配です。
リハビリ施設では突然の事で、介護の事も分からず、ただ見ているだけでした。
周りでは、リハビリに取り組んでいる方々が10人程度いました。
その中で叔父はトレーナーから渡されたメニューに取り組んでいるようでした。
何とか元の生活に戻りたい…。
その為にまず、足の筋力UPを目指した運動をするようです。
力の入らない足で、トレーナーに支えられながら、
何とかふんばろうとするのですが、叔父の額に汗がにじんでいます。
トレーナーは叔父の足首を上下させたり、足全体をマッサージしています。
叔父は20代の若い男性トレーナーから「これからですね」
と応援されながらも、体が言う事を聞きません。私も歯がゆい思いをしました。
叔母に「トイレはどうしているの?」と尋ねると、
「今はこれを使っているの」といい、おもむろに
「カワムラサイクル」の「旅ぐるま」を引いてきました。
「新しい車いすだね」と私が言うと、「そうなのよ。
シートの色がお父さん、気に入ったって言うから、本当によかったわ」と叔母は言いました。
「パジャマの色も、黒は暗い色だから嫌だって言うから、
だったら、車いすの色も明るい色の方がいいじゃないって事で、
これになったのよ」と車いすを見つめて言います。
鮮やかな青と紫がかった青のストライプ柄、
明るい色のシートは新品なので余計鮮やかに見えました。
「そうだね。よかったね。」と私が言うと、叔母は微笑みました。
「天気の良い日は車いすに乗って散歩に行くと、木漏れ日とかがきれいでね。
気分転換になるのよ。」と叔母は言い、私も頷きました。
「でもね、初めは私も車いすの使い方が良くわからなくて、
お父さん(叔父)が倒れそうになった事があって大変だったんだけど、
この車いすには安全ベルトもついているから、安心なのよ。」と叔母がほっとした表情で言いました。
私が「最近の車いすは便利だね」と言うと、
叔母が【カワムラサイクル】旅ぐるまを内側に畳みました。
「ベッドにいる時は、こうやっておくと、スペースを取らなくていいのよ。 でも、トイレ、お風呂、散歩、検査、どこへ行くのも必要で、 本当に車いすがないと、私じゃお父さん(叔父)を支えるのが大変だから、 助かっているわ」と叔母が言いました。 そうなんです。女性は男性に何かあったら、 車いすがない状態では支えるのが本当に大変です。 おんぶして歩くなんてできません。 (祖母をおんぶして歩く成人男性とは違います。) 実は車いすは女性にとって特に大事なものだと思いました。 後ろから押しながら、話をしたり、右折や左折が簡単にできる。 車いすは本当に便利だと思います。
自分が当事者意識を持ったのが初めてだった為、心に響きました。 リハビリが終わった叔父がゆっくりと車いすに腰掛けました。 慣れた様子で足をのせています。「お父さん(叔父)もだいぶ車いすに慣れてきたのよ」 と叔母が言い、私も少しほっとしました。 車いすとうまく付き合っていきながら、少しでも元気になってもらいたい。 人によっては車いすは毎日の生活に欠かせない物であり、 自分もいつお世話になるかわからない大切な器具だと思います。 操作等も簡単だと思いますし、後ろから誰かが引いてくれる 安心感も手伝って、たくさんの方々に受け入れられている気がします。 【カワムラサイクル】旅ぐるまについて知ったのは最近ですが、 車いすにもたれかかる叔父の安心した顔にほっとしました。
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