介助式車椅子は、体が不自由な人もしくは、自分で車椅子を操縦することが難しい人、
または車椅子をコンパクトに折りたたみたい人に便利な車椅子だと思います。
また、「自分で歩くことはできるけれど、長時間になると助けが必要」という人も、介助式車椅子を利用することが多いようです。
何らかの事情で体が不自由になると、どうしても外出や移動が辛くなりますが、
補助として車椅子を使うことは、人の行動範囲を広げることにもつながります。
しかし、一方で「安易に車椅子に頼る生活はどうか」という意見もあります。
自分で歩く能力があるのに、それをせずに車椅子に乗ってしまうと、どうしても足の筋力が衰えやすくなってしまうからです。
歩くための筋力、その力を維持するためには「できる限り、自分で歩いて筋力を鍛える」という努力をしなくてはなりません。
介護の世界でも、自分でできることはできるだけ自分でさせること、というのが基本になっています。
これにはきちんと意味があり、あまり早いうちに人や道具に頼った生活をしてしまうと、
せっかくある身体能力が衰えてしまうからなのです。
特に介助式車椅子の場合、自分でハンドリムを回し移動する自走式車椅子と違い、運転を介助者に任せることになります。
その段階で、介助式車椅子を利用することがはたしていいことなのかをもう一度考えてみて下さい。
車椅子の前に、歩行車と言う歩行を補助してくれる歩行補助道具を使うという手もあります。
こちらを使えば足の筋力を保持することができますし転倒の心配が減り安心して歩くことが出来ます。
まだ体力的に余裕がある場合には、車椅子より歩行車で出来る限り自分で運動するようにすると良いでしょう。
かっこ悪いからとシルバーカーや歩行車を使わず、何も補助せず無理をして転んで骨折してしまっては元も子もありません。
足腰が弱ったな、と思った時が、歩行車や車椅子の利用のしどきではないでしょうか。
また、車椅子を使うにしても、すべてのシーンで使うのではなく「どうしても必要な時だけ使う」ということを徹底しないと、
今度は「自分の力で立つ」ということを避けるようになってしまい、残った筋力を支えることができなくなってしまうでしょう。
介助式車椅子は確かに移動に便利なものですが、「今使うべきなのか」を見極めることは大切なことです。
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