車椅子の乗り心地にとって、重要なのは「振動や衝撃を吸収することができるかどうか」です。
車椅子の座面は折りたたみ構造のため、持ち運び用の簡易的な椅子と
同じように薄手のシートでできているものが多くあり、通常振動することが当たり前に出来ています。
衝撃が大きいともちろんですが、その分利用者の体に響きますよね。
特に、体に痛みがある人が振動の大きい車椅子に乗ると、
それが痛みに繋がりますので車椅子に乗るのが辛いということもあるそうです。
車椅子に乗るたびに、衝撃で体が痛んでしまうとなると、やはりお出かけそのものが憂鬱になってしまうでしょう。
その様な状態になるのを考慮して、車椅子には衝撃を吸収する工夫が施されているものがあります。
例えば、前輪・後輪のタイヤ(キャスター)をクッション性が優れたものにしてある車椅子です。
前輪はアブソレックスタイヤなどであれば中にバネが入っており、
凸凹のある道でも衝撃を吸収してくれるので、振動は軽減されます。
後輪についてはもちろんエアタイヤが一番柔らかく、乗り心地が良いでしょう。
メーカーによってはノーパンクタイヤでも衝撃を吸収してくれる質がいいものが発売されています。
また、タイヤだけでなく車椅子を作るために必要な軸の形状を工夫することで
車椅子全体で衝撃を吸収するように作ってあるものも多くあり、
体に痛みがある人が移動のつらさを感じないように、という配慮が加えられています。
車椅子で衝撃を吸収することができれば、乗っている人にはそれが響きません。
そのために設計の段階から車椅子で衝撃を吸収できるように計算し、快適さを追求しています。
車椅子を必要とする利用者がいる場合、どうしても一緒に行動する介助者に負担がかかってしまいます。
車椅子を持ち上げて車に積み込んだり、車いすを押したりと、利用者とはまた違った負担が介助者にはかかってしまうことになりますので
コンパクトさ、軽量さは外出時に使う車椅子なら欠かせないポイントです。
しかし車椅子の快適さを求めているのは、利用者だけではありません。
この負担から、外出が億劫になってしまっている介助者も多くいるでしょう。
そんな人たちが、「外に出よう」と思える車椅子であることが、車椅子の理想であり、追求しなければならないところです。
利用者だけのことを考えるのではなく、介助者のことも考えた車椅子が増えること。
それが実現して、初めて「快適な車椅子」と言えるのではないでしょうか。
それゆえ私は振動の少ない乗り心地のよい、出来るだけ軽量の車椅子に重きをおくべきだと思っています。
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