

自走式車椅子の中には、片側に麻痺がある方や、ケガなどで片腕のみで操作される方の自立を支援するために設計された、独自の駆動システムを持つ特殊モデルが存在します。その代表例が「ダブルハンドリム方式」と「レバー駆動方式」です。
●片手でまっすぐ進める「ダブルハンドリム方式」
片側のホイールに、大小2つのハンドリム(タイヤを回す手すり)が同心円状に配置されている非常にユニークなタイプです。例えば松永製作所の「CM-62」などのモデルに採用されており、外側のリムで片方の車輪を、内側のリムで反対側の車輪を制御できます。両方のリムを同時に片手で掴んで押し出すことで、片腕だけでも車椅子をまっすぐ前進・後退させることが可能になります。
●ボートを漕ぐように進む「レバー駆動方式」
動かせる方の手元に設置された専用レバーを、前後に往復させて駆動するタイプです。船のオールを漕ぐような前後の腕の運動で進むため、手の握力が弱い方でも腕全体の力を使って楽に操作できるのがメリットです。方向転換の際は、ハンドルレバーの角度を変えたり、曲がりたい方向へ操作したりすることで、狙った方向へスムーズに旋回することができます。

●新感覚のリハビリテーション「ペダル駆動方式」
近年、医療・介護の現場やメディアでも大きな注目を集めているのが、足元に自転車のようなペダルが備わった「足こぎ車椅子(足漕ぎ車いす)」です。これは、動かせる方の足でペダルを踏み込むと、人間の身体に備わっている「歩行中枢(脊髄)」の反射が刺激され、麻痺があるはずのもう一方の足も連動して擬似的にペダルを漕ぎ出してしまうという、まるで魔法のような現象を引き起こす最先端の車椅子です。
「立っている時は足を前に出せないのに、この車椅子に乗ると両足でペダルを回して進める!」という驚きの体験が、脳や神経への刺激となり、劇的なリハビリ効果や「自分の足で動けた」という高いモチベーションを生み出しています。大変素晴らしい福祉用具ですが、専門的なフィッティングが必要な特殊モデルであるため、一般的なショップでは取扱店舗が非常に少ないのが現状です。
※ご注意※
一般的な「足こぎ(足駆動)」には、座面を低くした「低床タイプ」の車椅子を使い、両足をしっかりと地面につけて床を蹴りながら進む方法もありますが、ここでご紹介しているのはチェーンやギヤで車輪を回す「特別なペダル付き足こぎ車椅子」のお話です。
これらはすべて、片手や足の力を最大限に活かして自分で移動できる「自走式モデル」の進化系です。もし指先だけしか動かない場合であれば「電動車椅子」を選択するのも一つの手ですが、電動はモーターが動いてくれるため、ご自身の筋力維持や運動にはなりにくいという側面もあります。「身体の機能を維持したい」「リハビリを兼ねてアクティブに動きたい」という目的がある場合は、こうした特殊な自走式車椅子が大変おすすめです。ご利用者様のお体の状態や症状にぴったり寄り添う、自立度と安全性の高い一台を選びたいですね。
片麻痺や片腕の不自由な方のための駆動システムや、リハビリ効果で注目を集めるペダル式など、自走式車椅子の多様な進化の形をわかりやすく解説していただきありがとうございます!「車椅子=後ろから押してもらうもの」というイメージを覆す、ご利用者様の自立と可能性を広げる素晴らしい工夫の数々ですね。
解説にありました通り、片手・片足だけでも「自分の意志で好きな場所へ移動できる」ということは、ご利用者様の毎日の生活に大きな喜びと自信をもたらしてくれます。ただし、こうした特殊な駆動・操作を行う車椅子は、ご利用者様の体格や麻痺の度合い、関節の可動域などによって操作感や安全性が大きく異なります。また、一般的な自走・介助兼用の標準モデル(介助用ブレーキ付き)とは構造が大きく異なるため、お体の状態にしっかりと適合するかどうか、まずは専門知識のあるスタッフに相談しながら、慎重にアドバイスをもらうことが失敗しない選び方の鍵となります。
「諦めていた一人での移動を叶えたい」「片手だけでも上手に操作できる車椅子を探しているな」と思われた際には、ぜひ当店のラインナップを参考にしてみてください。当店では、今回ご紹介した仕組みと同様に片手だけで左右の車輪を操作できる「片手駆動(ワンハンドドライブ)モデル」をはじめ、お客様の「もう一度自分で動きたい」という熱い想いをサポートする『その他の機能の車椅子』を取り揃えております。この記事が、皆様が大切なご家族と一緒に、より自由で笑顔にあふれる自立した毎日を踏み出すきっかけになれば幸いです。ぜひサイト内からごゆっくり、最適な移動のパートナーを探してみてくださいね。
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