車椅子を実際に動かした事がある人はどのくらいいるでしょうか。
実際に自走式に乗って動かしてみたことのある方ならわかると思いますが、
車椅子というのは基本腕の力だけで車輪を進めなければならないので相当な重労働です。
また、介助の際であっても車輪のサポートがあるとはいえ、
座っている人間を上半身のバネだけで移動させるのはそれなりの筋力が必要です。
特に坂道は少しの傾斜でも厳しく、前に進もうと車輪を回している筈なのに、
自分の体重だけで自然に後ろ方向へ進んでいってしまいます。
自転車で立ち漕ぎをしないまま急な坂を上る感覚を想像してください。
自転車は足で漕いでいるので、ある程度は楽に進むことができますが、足の力は基本的に腕の力の三倍はあるのです。
腕の力で押している車椅子の方は、常に足で移動できる健常者の三倍以上の負荷をかけて、坂道を進むようなイメージではないでしょうか。
故に長年車椅子に乗っている方の腕の力は、健常者の方以上に鍛えられています。
バリアのない室内であれば多少腕の力が弱い方でも問題なく動くことが可能かと思いますが、
外出時のわずかな段差でも車椅子にとっては乗り越えるのに思いのほか大きな力が必要になるのです。
自走式車椅子で外出し自由自在に操りたい場合には多少は腕を鍛えなければ操作は難しいとも言えるでしょう。
昨今では出来るだけ車椅子は出来るだけ軽量で頑丈な物が増えてきてはいますが、
それでもある程度の筋力は、車椅子の操作には必須です。
厳しい場合は割高にはなりますが、医師の方との相談の上、電動タイプの車椅子を買う事をお勧めします。
ただし、電動タイプは逆に推進力が強く、操作を誤ると思わぬところに進んでしまう事故も多々あるようです。
利用者の利用シチュエーションや健康状態と判断力や筋力を把握して、無理をせず選んでいただきたいと思います。
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