

現在20歳になった息子が小学6年生の時の話です。修学旅行を間近に控えたころ、体育の授業中に足首を骨折してしまいました。
その日、学校から連絡を受けて車で整形外科に向かいました。診断は右足首の骨折。足は固定され、車椅子と松葉杖を借りることになりました。
担当の医師に修学旅行のことを相談すると、第一声は「足のことを考えると、諦めたほうが良いのでは」という返事でした。何とか参加させてあげたいということを伝えると、「移動は車椅子、室内では松葉杖」という条件であれば大丈夫ということでした。翌日、担任の先生に診断の結果と修学旅行のことを伝えました。

学校側の本音としては、怪我人を連れていくのは心配の種ですし、集団の足を引っ張ることにもなりかねません。それを承知で「何とか参加させてあげたい」とお願いしました。担任の先生も「その方向で私も頑張ります」という返事をいただきました。翌日に学校から連絡があり、「付き添いとしてお子さんと一緒に参加していただければ…」とのこと。
こうして、まさかの親子で参加する修学旅行となりました。修学旅行とはいえ一緒にバスに乗るわけではなく、行程表に載っている場所に自分で行くという大変なものでした。しかし、それは担当の旅行会社のガイドの方に同行すればよいということになり、少し安心しました。ガイドさんと電車やタクシーを乗り継ぎ、先回りして到着を待つ。この繰り返しでした。到着したらバスのトランクから車椅子を取り出し、息子の介助をする。これが本当に大変でした。

旅行先は鎌倉方面でしたが、坂道もたくさんありました。境内では舗装されておらず、砂利道ばかりです。階段はお友達が肩を貸してくれましたが、私が車椅子を持って登らなければなりませんでした。旅館に向かうバスに息子を乗せると一日の行程が終わりました。
旅館の中では先生方が責任を持ってくれるということでしたので、私はガイドさんに手配していただいた宿泊先に向かいました。「付き添い」と言われた時には、バスも旅館も一緒なのかと思っていたのですが、大変なところだけ付き添う形でした。一日目に宿泊先につくと腕も肩もパンパンに腫れ上がり、くたくたでした。車椅子の介助がこんなにも大変なものと知りました。
二日目には少しずつコツがつかめてきた感じでした。クラスメートのみんなもお手伝いしてくれましたし、ガイドさんとも打ち解けて、談笑できる余裕も出てきました。そうは言っても、坂道あり、砂利道あり、階段ありは前日と同じでした。

二日目の宿泊先の前にコンビニエンスストアがあり、「今夜こそは一杯飲もう」と決めました。一人の食事を済ませてゆっくり飲んだビールの味は忘れられません。急激に酔ってしまい、あっという間に最終日の朝になりました。
三日目はお昼を済ませたところで、私はガイドさんと一緒に地元へと向かいました。一足早く帰って、学校で出迎えるという段取りです。「ガイドさんも大変ですね」と声をかけると、私の息子よりも大怪我での参加も見てきているそうでした。「お母さんもお疲れ様です」というねぎらいの言葉に「ジーン」としてしまいました。
一足早く学校に着いて、バスから息子が出てきたところで緊張の糸が切れました。一年振りに息子に会ったように声をあげて泣いてしまいました。息子も同じだったようで、到着の安心感もあって一緒に抱き合ってしまいました。今となっては良い思い出ですが、車椅子の介助の大変さを身にしみて感じる機会となりました。
お母様の努力と愛情、そして周囲の方々の協力が重なった、まさにドラマのような修学旅行ですね。
「一生に一度しかない修学旅行を、何とか息子に行かせてあげたい」という親心には本当に頭が下がります。
「大変なところだけ付き添う」という状況の中、坂道や砂利道、階段と格闘し、腕や肩がパンパンになりながらも息子さんを支え続けたお母様の姿が目に浮かぶようです。
車椅子介助のリアルな大変さを知ったからこそ、その後のビールは格別の味だったことでしょう。
そして何より、肩を貸してくれたクラスメイトさんやガイドさんの温かい心遣いに、胸がいっぱいになりました。
このお話のように、怪我があっても「あきらめない」という選択を支えるのが私たちの仕事です。
もし旅行や外出のお供をお探しでしたら、今回ご紹介したような軽くてコンパクトな車椅子も取り扱っておりますので、ぜひ一度見てみてくださいね。
© 2013-2025 Next care innovation Co., Ltd.