私の母は6年前に体の筋肉が萎縮し寝たきりになるという難病を患いました。
病院で治療を受けながらも、左手、左足・・と体がだんだんと動かなくなっていき、
発症からわずか5ヶ月で車椅子生活になりました。
車椅子を扱うなど家族も初めてで、どのように操作したらいいかなど悪戦苦闘しながら勉強しました。
車椅子ってただ押せばいいだけのものではなく、
車椅子からベッドへの移動などにも工夫が必要だと初めて知ることになりました。
でもじきに車椅子にも乗れなくなるとわかっていたので、
車椅子で動けるうちにたくさん旅行をしよう!と決め、
車椅子でも行ける場所をたくさん調べ、
休みの日には近くのショッピングセンターにだけでも出かけ、
長期の休みが取れれば遠出し家族の時間を大切にしました。
家の車は普通車で、車椅子からの乗り降りも病気が進行するにつれ難しくなりましたが、
車椅子ごと乗せられる福祉車両に買い換えてからは移動が楽になり旅行も快適になりました。
最近ではどこにでも車椅子専用駐車場やトイレなどバリアフリー対応されている場所が増え、
車椅子の人でも行こうと思えばどこにでも行けます!
少し遠出する時は高速道路のSAエリアに立ち寄り、
車椅子専用駐車場に停めスロープでトイレへ簡単に行けます。
SA内も通路が広く取ってありおみやげも物色できるし、
食事も車椅子がそのまま入れるように椅子を取りはずしてある席もありました。
観光地もバリアフリー対応な場所が多く、車椅子用にエレベーターが設置されている所もあります。
そして自家用車での旅行だけではなく、公共の交通機関での旅行も快適なんです。
だいたいの大きな駅はバリアフリーになっており、
ホームへもエレベーターで楽に移動できます。
私たちが新幹線を利用した時には、車両への乗り降りも
駅員さんがスロープを設置してくれて楽に乗車できました。
座席も車椅子がそのまま横付けできるスペースもあって、車内のトイレも車椅子専用があります。
新幹線から在来線への乗り換えもスムーズで、とあるJRの駅では
到着駅にも連絡をしてくれて乗り降りにスロープを準備して待っていてくれたり温かい対応を受けました。
観光する時にも福祉タクシーを利用して車椅子に乗ったままの移動も可能で、
車椅子で利用可能な観光地を巡ってもらいました。
ホテルでもバリアフリー対応客室に泊まり、トイレやお風呂は広いし、
お風呂には体を支えやすい椅子も用意されていました。
以前、とある有名テーマパークに行った時、
入場ゲートも車椅子で入れるゲートから入れてもらい、
アトラクションの待ち時間も長時間並ばなくていいように時間指定券をもらえたり、
ショーを見る場所も車椅子用に確保されていてキャラクターが近くまでよって抱きしめてくれたり、
食事処も並ばず専用ルームに通され、ホテルへの移動の際もバスには車椅子用スペース、
乗り降り用のスロープも完備されており、車椅子での来場者に対しての対応がとても温かく素晴らしかったです。
病気が発覚し最初は絶望的でしたが、行けるうちにいろんな場所に行こう!たくさんの思い出を作ろう!と思い、
いろいろ調べて行動したら本当にたくさんの温かい対応に触れ、いい思い出ができました。
バリアフリーが充実している場所も増えて、車椅子の方にも優しい時代になってきていると思います。
車椅子だから何もできない・・・ではなく、車椅子でもどこにでもいける!
旅行もできる!楽しいことがたくさん待ってる!と実感した私と同じように、
自身が車椅子である、家族や友達に車椅子の人がいる、
という人にもぜひ視野を広げて楽しんでもらいたいです。
我が家にはいろんな場所に旅行した時の思い出の写真が部屋にたくさん飾ってあり、
今も思い出話に花を咲かせています。
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