看護師の視点からお話しすると、病院において車椅子は単なる移動手段以上の役割を持っています。
特に循環器内科など、歩行制限がある患者さんにとって、病室から出ることは簡単なことではありません。そんな時、車椅子で外へ出て、季節の花や風を感じる散歩は、精神的な大きな支えになります。制限された生活の中での「息抜き」。車椅子は、患者さんの笑顔を取り戻すための大切なパートナーなのです。
一方で、院内と外とでは状況が全く違います。普段は気にならないようなわずかな段差や、アスファルトの凹凸が、車椅子にとっては大きな障害になります。
一般的な車椅子で外に出るのは、介助する側でもかなりの体力が必要ですが、それを患者さん自身が操作するのは、さらに過酷なこと。「車椅子なら何でもいい」のではなく、使用環境に合わせてタイヤの種類や形状を選ぶことの重要性を痛感します。
また、移乗時の介助負担も無視できません。ベッドから車椅子への乗り移りは、お尻を浮かせて向きを変えるなど、本人にも介助者にも一苦労です。患者さんの状態によっては4人介助が必要なこともあります。
移動手段としては便利な車椅子ですが、移乗のしやすさは介助者の安全にも直結します。現場では「アームサポート(肘掛け)が外せるかどうか」は非常に重要なポイントです。
車椅子はもともと移動のための「道具」であり、長時間座り続けるようには作られていないものも多いです。長時間座ると座面が沈み込み、腰への負担が大きくなってしまいます。
長く座るならクッションの追加やリクライニング機能の活用、ベッドへの乗り移りが楽になる肘跳ね上げ機能など、利用シーンに合わせたモデル選びが必要です。
看護師さんのお話にもあったように、車椅子は「今の生活」を大きく変える力を持っています。まずは今の環境で「もっとこうだったら楽なのに」というポイントを一つずつ確認してみるのがいいかもしれませんね。
今の車椅子が「どうも座り心地が悪い」「移乗で毎回苦労している」という場合は、車椅子がその方の今の身体状況や生活環境と少しズレてきているサインかもしれません。
無理して今の車椅子を使い続けるよりも、思い切って「肘跳ね上げ式」や「クッション性の高いシート」に変更するだけで、
介助の負担もご本人の疲れも驚くほど改善することがあります。まずはメーカーのカタログやサイトを見比べて、自分や大切な方にぴったりの一台を探してみてください。
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