私には車椅子を使用している友人がいます。
その友人とは大学生の時に知り合いました。
教室にいつも車椅子で入ってきて、
ゆっくりと最前列の椅子に座りかえるのを私は毎日後ろから見ていました。
ある日その人が私の友人の知り合いだったことから私も時々一緒に遊ぶようになったのです。
彼女と一緒に出掛ける時には彼女のお父さんが所有している福祉車両で出かけます。
私は福祉車両というものをそれまで見たことがなかったのでとても珍しく感じてしまい、
不躾にもいろいろと質問してしまいました。そしてその機能に感心しました。
まず福祉車両には車椅子のまま乗車できるようにスロープが付いています。
友人は車椅子から降りて這うこともできると言っていましたが、
そのような手間を省くことが出来るのでとても便利な機能でした。
また、車内では座席が回転するようになっており、介助をする人と向い合せになることも可能だったので、
友人がドライブ中に何か人の手伝いが必要になった際には席を回転して手伝ったりしました。
それまで福祉車両に乗ったことがなかった私にはとてもハイテクな車であるように思えてとても楽しかったです。
また、友人のような障害を持った方でも健常者と同じようにドライブを楽しむことが出来るので素晴らしいと思いました。
初めて福祉車両に乗った日に向かったのは遊園地で、そこでも私は驚くことばかりでした。
その遊園地のアトラクションのほぼすべてが車椅子の方の乗車、来場に対応しており、
列に並んで順番が来ると一般客とは違うルートでアトラクションに案内されるのです。
その遊園地には私も何度か行ったことがあったのでほぼすべてのアトラクションを
制覇していましたが、まさが裏ルートがあるとは思っていませんでした。
車椅子の客とその付添いの一般客は裏ルートからアトラクションに乗車することが出来るのです。
乗る順番が近づいてくると、福祉車両でみたようなスロープが乗り場から
アトラクションへと延びていき、その上を友人は車椅子で進んで乗車していました。
その遊園地はバリアフリーを心掛けているとの看板通り、
車椅子でも健常者と同じように楽しむことが出来ました。
私はいままで車椅子目線で道や店内を見たことがなかったのですが、
その友人と出かけてから階段の脇にスロープがついているかや、
店内の段差が気になるようになって、新たな視点でものを見るようになりました。
友達がたまたま車椅子ユーザーだったというだけでこんなにもものの
見方が変わるのかと自分でもびっくりしたほどです。
その後もその友人と友人の家族とともに出かける機会は何度かあって、
そのたびに福祉車両は大活躍しています。
今はもう最初のころのような物珍しさは感じることはありません。
自分で言うのもなんですが、だいぶ使いこなせるようになってきました。
友人の介助もきちんとできるようになりましたし、福祉車両のスロープ以外の機能、
たとえば地面と車の段差をなくすためのステップや、車椅子を車内で動かすために
他の席をスライドさせる機能なども使いこなしています。
このように福祉車両の機能が充実しているからこそ
友人は健常者と同じように気軽に遠出することが出来ますし、
福祉車両には関心させられてばかりです。
その友人と知り合ってから大学で福祉デザインの授業をとって
その仕組みや歴史について少しだけ勉強したりもしました。
このように新しいことに目を向けさせてくれた友人にはとても感謝していますし、
これからも友人のお父さんの運転する福祉車両でいろんなところに
出かけて思い出をたくさん作りたいと思っています。
福祉車両について知りたくなった方はディーラーで見せてもらえるので
ぜひ一度見に行くことをおすすめします。
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