桜と車椅子に乗った父の笑顔|車いすにまつわる話【格安通販の車椅子卸センター】

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桜と車椅子に乗った父の笑顔

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【体験談】突然奪われた歩行と自由、白い病室で怯えていた父の背中

入院している男性

自分の足で歩くことができなくなったとき、それまで父が持っていた生き生きとした表情は、まるで全て失われてしまったかのようでした。

若い頃からとにかく身体が頑健な人で、生涯寝込む姿など一度も見たことがなかった私は、目の前でみるみる衰弱していく父の姿に、ただただ呆然とするしかありませんでした。肺炎での入院をきっかけに身体の機能が一気に落ちてしまい、その後のリハビリ施設でも思うように歩行訓練が進まなかったらしく、とうとうベッドの上で寝たきりのような状態になってしまったのです。

リハビリを必要とする多くの方々で常に満員のリハビリ施設は、目に見える成果が感じられない利用者をいつまでも長居させてくれる場所ではありません。かといって、実家に帰ろうにも同居する母もかなりの高齢であり、寝たきり状態の父を自宅で介護することなど到底不可能な現実がありました。私たちは悩んだ末、デイサービス施設が提供している短期の宿泊サービスを繋ぎ合わせながら、本格的な介護保険施設への入所順番を待つ日々を送ることになったのです。

これまでの長い人生で大きな病気など一度も経験したことがなかった父にとって、自由を奪われる入院生活そのものが、精神的に耐え難い苦痛だったようです。病院内での移動はすべて車椅子となり、看護師さんに後ろから押してもらっていましたが、父の顔から笑顔は完全に消え失せ、いつも不機嫌そうで苦々しい表情を浮かべながら病室へと戻ってきました。

夜中になると一人きりの暗闇で激しい不安に襲われることも多かったらしく、ときには激しく何度も連打するようにナースコールが鳴り響き、夜勤の看護師さんを困らせていたことを、後から苦笑い混じりに聞かされました。自分の意志で歩くことができないということは、夜中に何か突発的な異変が起きても、自分の力ではどうすることもできないという極限の恐怖を意味します。きっと、悪い夢を見るたびに、小さな子供のようにたまらない孤独と恐怖感に襲われていたのだろうと、今になって胸が締め付けられます。

【体験談】趣味も楽しめない退屈なホールで、初めて気づいた父の試練

施設

そんな過酷な入院生活がようやく終わったかと思えば、休む間もなく今度は新しいリハビリ施設での集団生活が始まりました。

そこでは朝早くから、本人の意思や気分に関わらず一律で車椅子へと移乗させられます。とにかく寝たきりを防ぐための施設の方針なのですが、リビングの丸いテーブルを囲むように、同じように車椅子に乗った高齢者の方々がずらりと並べられるのです。そこで他の方とおしゃべりを楽しんだり、お茶を飲んだりして、それなりに気の合う相手を見つけることができれば、少しは退屈を紛らわせることもできたのかもしれません。しかし、父が何より愛していた囲碁を一緒に楽しめるような相手がそこには誰もおらず、父はリハビリ施設での時間の大部分を、周囲を拒絶するかのような険しい表情で黙って過ごすことになってしまいました。


今振り返ってみれば、人生を揺るがすような大病を患ったことも、自分の身体が半身不随になってしまったことも、父にとってはすべて人生で初めて直面する未知の出来事でした。その頃、兄と私もそれぞれ自分の家庭を持ち、激しい子育てや突然の転勤など、自分たちの「初めての経験」に翻弄されている真っ最中でしたが、父にとってはまさに人生の終盤に突入してから訪れた、自力で超えられるかどうかも分からない、あまりにも大きすぎる最後の試練だったのです。歳月が流れた最近になって、ようやく当時の父の孤独な心境に静かに思いを巡らせることができるようになりました。

そんなある日のこと、私がいつものように幼い息子(父にとっては孫)を連れてデイサービスの施設へお見舞いに訪れると、いつも暗く強張っていた父の表情が、これまでにないほど柔らかく穏やかになっていることに気がつきました。「こんにちは、お父さん。今日はなんだかちょっと気分が良さそうだね」と私が驚きながら声をかけると、いつもは無視するかフイッと目をそらす父から、珍しくすぐに明るい声で返事が戻ってきたのです。

【体験談】職員さんの優しい工夫が生んだ、満開の桜と最高の笑顔

桜の散歩道

「今日ね、内藤さんがこの椅子を使いやすいように直してくれたんだよ」と、父は嬉しそうに語りました。内藤さんとは、その施設でいつもお世話になっている優しい主任さんのお名前です。「え?車椅子がどこか壊れていたの?」と私が驚いて尋ねると、父は満足そうに自分の足元を指差しました。

見ると、父の足が乗っている車椅子のフットレスト(足の踏み台)の上に、木製の箱のようなものがしっかりと固定されていました。どうやら、その箱の分だけ足の位置を少し高くしたことで、座っている父の姿勢が格段に安定し、身体が随分とラクになったということのようでした。あとで主任の内藤さんに詳しくお話を伺うと、おむつを着用している方は車椅子に長時間座っていると、おむつの厚みや滑りでどうしてもお尻が前にズレ込んでしまい、身体がのけぞるような苦しい姿勢になってしまうのだと気づいてくださったそうです。そこで、足元を少し底上げしてあげることで足の裏に自然と力が入り、お尻が前に滑り落ちて呼吸が苦しくなるのを防げるようになった、とのことでした。

病院で最初に車椅子を用意してもらったときは、「車椅子にも色々な形があるんだな」と漠然と感心していた程度でしたが、現場の職員さんのほんの少しの気遣いや微調整ひとつで、車椅子の使い心地や本人の快適さはここまで劇的に変わるものなのだと激しい衝撃を受け、内藤さんへの感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。結局、父はその後別の大きな施設に移ることなく、しばらくして脳梗塞を起こして急逝してしまいましたが、あの足元の工夫をきっかけに父の顔には目に見えて笑顔が増え、施設のすぐ近くの川沿いに長く続く、美しい桜並木へのお散歩を毎日心待ちにするまでに回復したのです。

春になり、満開に咲き誇る桜のトンネルの下で、私は父の車椅子をゆっくりと押していました。ふと父の顔を覗き込むと、そこには病気をしてから一度も見せることがなかった、子供のような満面の笑みが浮かんでいました。今年もまた美しい桜の季節が巡ってきますが、春の風に乗って舞い散る花びらを見るたびに、あの日の温かい花びらと、父の最高の笑顔が今でも私の頬に優しく触れているかのように感じられてなりません。

車椅子卸センターからのアドバイス

お父様が人生最後の試練の中で見せてくださった、満開の桜の下での満面の笑顔。職員様の細やかな優しさと車椅子のちょっとした調整が、 お父様の沈んでいた心までをも大きく救い出したというエピソード、心温まる素晴らしい体験談をありがとうございます!

お話にありました通り、車椅子に座る時間が長くなると、おむつの滑りや筋力の低下によってお尻が前へとズレてしまい、身体が苦しくなって表情まで険しくなってしまうケースは非常に多く見られます。
足元を少し上げてあげるだけで劇的にラクになったように、車椅子において「正しい姿勢で、安定して心地よく座り続けられること(座位保持)」は、ご本人の生きる意欲や笑顔を取り戻すために何よりも大切な要素です。

このように、自力で姿勢を保つことが難しく、お尻のズレ込みや前方への前傾姿勢で身体が苦しくなりがちな方に最も適しているのが、背もたれの角度調整に加え、 座面全体の角度を後ろに傾けることができる高機能な【ティルト&リクライニング車椅子】です。 この機能がついた車椅子であれば、お尻にかかる体圧を優しく分散させながら、重力を利用して身体が前に滑り落ちるのを自然に防ぐことができるため、長い時間座っていても身体が疲れづらくなります。
大切なご家族がいつでも快適に、笑顔でリラックスして過ごせるような最適な一台をお探しの際は、ぜひ当店までお気軽にご相談ください!

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