40才代(前半です)男性です。
社会人のソフトボールチームに入っています。
実力は「そこそこ」と言ったところでしょうか。
ソフトボールの試合中に気持ちに体が追い付かずに無理をしてしまい、腰の骨にひびが入ってしまいました。
外野フライを取り損ねたのです。
大きいフライが飛んできてボールを見ながらバックしているときに、足がもつれて腰から落ちるような形で転倒しました。
そのままチームメイトの車で救急の病院に行き、その日は応急処置のみをしてもらいました。
翌日には、さらに痛みが増しており「これってヤバイんじゃないか?」という感じでした。
女房に車で整形外科まで車で送ってもらいました。
車の乗り降りが大変でした。
何かあるたびに「イタイ、イタイ」と悲鳴を上げる私に「子供の方がお利口だわ」と女房はあきれていました
しかし、それほどに痛みはひどいものでした。
診察の結果は、前述のように腰の骨にひびということでした。
骨折自体、初めての経験でした。
入院も勧められたのですが、仕事のことも心配でしたので「自宅療養でお願いします」と話すと、用意されたのは松葉づえと車椅子でした。
車椅子は二つに折りたためるもので、車のトランクにも余裕で積み込むことが出来ました。
病院からの帰り道は今でもよく覚えています。
体のこと、完治するまでの生活のこと、仕事のこと、いろいろなことが頭をグルグルと回って言葉が出ませんでした。
仕事は、オフィスワークでパソコンと向き合う仕事でしたので、支障をきたすこともありませんでしたので助かりました。
自宅と仕事場の送迎は女房にお願いしました。
女房は「道草できなくてつまんないでしょう?」などと言っていましたが、彼女も毎日の送迎は大変だったと思います。
また、怪我をしてしまったことをチームメイトのみんなに伝えた時には、年甲斐もなくこみ上げてくるものがありました。
その日の試合は、私のそんなことも有り敗戦でした。
リーグ戦の最中でしたから、次の試合には車椅子に座りながらスコアラーをお手伝いしました。
そんな私にもユニフォームが用意されていて、ユニフォームに着替えてのスコアラーでした。
試合中にもかかわらず私にいろいろと気を使ってくれて、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
家族の助け、友人たちの気遣いをたくさん感じていました。
治療を始めて感じたこと。
それは車椅子からの景観です。
車椅子に座ると、ちょうど大人の腰の位置に視点が来ます。
子供の視点になります。
人ごみは、なるべく避けてはいたのですが、信号待ちなど人ごみの状態になることは多くありました。
そうすると腰のあたりしか見えませんから、先が見通せず少し怖いのです。
これは、経験して初めて知りました。
だから、普段から車椅子での生活をしている方たちは「こういう風に見えているんだ」と感じました。
人ごみの中では、不安な気持ちにならないのかと思いました。
怪我をしてしまったことは良いことではありませんが、不自由な方の大変さを知りました。
何事も経験してみなければ、大変さは身に染みて感じることはできません。
また、文句も言わずに手を貸してくれた女房にも感謝の気持ちでいっぱいです。
もし、逆に女房が怪我をしたら同じように手助けを私が出来るだろうかと思うほど、女房には世話になりました。
子供たちも普段は用が無ければ自分の部屋に行ったきりなのですが、いろいろと私に話しかけてきたり、心配してくれていたのでしょう。
健康な体のありがたさを本当に感じました。
健康で楽しくソフトボールが出来ることが、どんなに幸せか車椅子を使いながら思い知らされました。
最後に松葉づえと車椅子を病院に返す時、苦労を共にした友達との別れのような気分になりました。
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