高齢者施設で仕事をする関係上、車椅子とは切っても切れない関係です。
そんな環境で介護者側視点で使いやすい車椅子を考えてみようと思います。
介護士・看護師がまず最初に思う使いやすい車椅子は、「移乗が行いやすい車椅子」になるかと思います。
では移乗が行いやすい車椅子とはどんな車椅子でしょうか?
まず、利用者様が傷つくことなく移乗することができる車椅子となります。
ベッドから車椅子への移乗が一番多いかと思いますが、その際、利用者様の足がフットレストに当たってしまい、下肢に皮ムケ・打撲を作ってしまうという状況が発生します。
ですので、まず、フットレストが外側に開放できるタイプが必須です。
車椅子の中にはフットレストが開放できないタイプがありますが、介護士・看護師の間では不評極まりない車椅子です。
フットレストの開放は必須の機能です。
フットレストの話がでたので、フットレストの機能で、これがあるとよいという機能を追記します。
それは、取り外しが可能なフットレストであるかどうかです
この機能があるとよい点は、車椅子に乗ってはいるが「足こぎ」ができる利用者様の場合、はずして移動ができることで足の稼働範囲が大きくとれるということです。
その他にもフットレストをはずすことでの利点があります。
それは、フットケアがやりやすいということです。
足の爪をきったり、水虫の薬を塗ったり等フットケアは以外と多い処置なのです。
次に、アームレストが下方に稼動するタイプかどうかです。
例えば、ベッドから車椅子に移乗するとき利用者様の状態によっては、二人で抱えて平行移動で移乗する場合もあります。
その際、車椅子はベッドに平行に置きます。
一人は頭側一人は足側に立ち、いちにのさんで平行移動するわけです。
その時車椅子のベッド側アームレストは下方に落とし込んでおかないと、アームレストの分だけ利用者様を持ち上げなければなりません。
屈強な男性スタッフがいれば気にせず行えないこともないですが、移乗ミスのリスクは大きいです。
続いて、背もたれが倒れるタイプかどうかです。
背もたれが倒れるタイプの利点は、以外と多い高齢者の腰の床擦れの 処置の際に背もたれが倒れることで安易に処置を行うことができるのです。
背もたれが倒れなければ、利用者様を一度ベッドに戻して、横向きに寝ていただき処置をするという行動を起こさなければなりません。
腰や背中に皮ムケなどの処置が必要な方は以外に多く、背もたれの稼働も重要な点のひとつです。
最後に座面になります。
ここに敷かれる座布団の質によって、乗り心地はずいぶん変わってきます。
利用者様によっては、自分で体動できることが難しい方も少なくありません。
そうなると当然、座面に当たっている部分に褥そうができるリスクが高まります。
最近では、そんなリスクを回避するために、低反発タイプの車椅子クッションを敷いてあるタイプも見受けられます。
介護士・看護師もこの部分には神経をつかいプッシュアップ、 徐圧等積極的に行われている部分です。
この部分に神経を使われている車椅子は、本当に利用者様のことを考えている車椅子と言えるかもしれません。
フットレスト・アームレスト・背もたれ・座面と実際に車椅子を使用する現場サイドからの見方から、良い車椅子とはどのような車椅子か考察してみました。
これは実際に介護士・看護師として車椅子に触れてみて感じた感想であり、現場の生の声と思っていただければと思います。
そして、介護士・看護師が使いやすい車椅子は、利用者様も心地よい車椅子となると考えます。
介護士・看護師が使いづらい車椅子は、実際事故につながり利用者様の不利益に繋がるものです。
その逆もしかりです。
実際は、自分の足で歩いて過ごしたい、普通の椅子に座りたい、そう思いながらも車椅子に座ることを余儀なくされている利用者様のみなさま。
そんな方々のために、きちんとした車椅子を選んで差し上げることは、車椅子を使う利用者様を考える大切なはじめの一歩であると思います。
選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。
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