車椅子と歩んだ4ヶ月|車いすにまつわる話【格安通販の車椅子卸センター】

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車椅子と歩んだ4ヶ月

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【体験談】雨の日の転倒、突然奪われた当たり前の日常

転ぶ男の子

それは、私がまだ小学生だった頃に起きた出来事です。それまで毎日当たり前のように過ごしていた私の平穏な生活は、ある日を境に突然、大きく変わってしまいました。

激しい雨が降っていたその日は路面全体の状況がとても悪く、タイルのように綺麗に敷き詰められた歩道は、水に濡れてまるでスケートリンクのようにつるつると滑る状態になっていました。運の悪いことに、私はその場所で足を滑らせ、勢いよく思いっきり転倒してしまったのです。

まるで地球がひっくり返ったのではないかと思うほどの凄まじい衝撃が全身に走り、ふと我に返ったときには、その場から身体を全く動かすことができなくなっていました。これまでに経験したことのない、声も出ないほどの激しい激痛が小さな私を襲いました。たまたま近くを通りかかった同級生が急いで自分の母親に連絡してくれたおかげで、私は大人におんぶされるような形でなんとか家に連れ帰ってもらいました。

その後、事態の深刻さからすぐに病院へと搬送され、緊急手術を受けることになりました。まだ10歳にも満たなかった当時の私には、何が起きているのかよく分かっておらず、「気がついたら病院のベッドの上で寝かされていた」ということしか理解できていませんでした。

しばらくしてトイレに行きたくなったため、いつものように起き上がろうとすると、付き添っていた母親から「しばらくの間は自分の力で歩くことはできないし、絶対にベッドから起き上がってはいけないよ」ときつく止められ、「どうして起きちゃダメなの?」と激しいショックと疑問を抱いたことを、今でもよく覚えています。

【体験談】天井しか見えなかった日々と、車椅子がくれた自由

車椅子に座る笑顔の男の子

病院で一日一日を過ごしていくうちに、子供ながらにだんだんと自分の置かれている過酷な状況が理解できるようになってきました。

私はもうしばらく学校へ行くことができないということ、自力でトイレにすら行けないこと、そして寝返りを打ってベッドの上で横を向くことすら許されないこと……。昨日まで当たり前にできていた全てのことが、何ひとつできなくなってしまったのだという現実を、少しずつ思い知らされていったのです。

ただただ退屈で、この先自分の足が本当に元通りになるのか分からない大きな不安を抱えながら、真っ白な病室の天井を見つめて丸1ヶ月が過ぎたある日のこと、担当の看護師さんがとても眩しい笑顔で私の部屋に入ってきました。


「もしかしたら、やっと学校に戻れる許可が出たのかな?」と思って胸をワクワクさせましたが、答えは違いました。看護師さんは「今日から車椅子に乗る許可が出たから、お外に出られるよ!」と言ってくれたのです。学校に行けないのは残念でしたが、それ以上に「やっとあの退屈なベッドから脱出できるんだ!」と感じ、それだけで飛び上がるほど嬉しかったです。

しかし、1ヶ月間ずっと横になったままだった子供の身体を動かすのは想像以上に大変な作業でした。足には全く力が入らず、まるで自分の身体ではないかのような奇妙な感覚を覚えたのを覚えています。

ほとんど看護師さんに抱きかかえられるようにして支えられ、なんとか初めて車椅子に腰掛けました。その瞬間に込み上げてきた喜びといったら、もう言葉では言い表せないほど圧倒的なものでした。まだ学校には行けなかったけれど、それまで「白い天井」だけだった私の見える世界が、一瞬にして「活気ある病院内全体」へと一気に広がったのです。車椅子の操作は、子供特有の飲み込みの早さですぐにマスターしました。大好きな売店までのルートもすぐに覚え、家族がお見舞いに来てくれる時間になると、自ら車椅子を漕いでエレベーターの前まで先回りして待つのが毎日の大きな楽しみになりました。

【体験談】病院での出会いと、子供心に感じたそれぞれの人生

マキテックの電動車椅子

車椅子に乗って自由に移動できるようになったことで、入院生活がこれまでよりも格段に楽しく、充実したものになったのは間違いありません。

それから退院するまでの約4ヶ月間、私は毎日車椅子をお供にして生活を送りました。好奇心に任せて病院内の隅々まで探検し尽くす中で、本当にたくさんの種類の人々や、様々な境遇の方々を見かけることになりました。そこには、私と同じように車椅子に乗って移動している人がたくさんいましたが、中には私が乗っているものとは明らかに形や仕組みが異なる、ちょっと変わった車椅子に乗っている人たちもいたのです。

まだまだ好奇心が旺盛な子供だった私は、ある日、すれ違ったその人たちに無邪気に話しかけてみることにしました。「僕が乗っている車椅子と全然形が違うけれど、どうしてその車椅子に乗っているの?」と。

すると、ある男性は優しく微笑みながら「僕は手の先しか動かすことができないから、この車椅子には自分の行きたいところへ動かせる『魔法の操縦機(ジョイスティック)』がついているんだよ」と教えてくれました。大人になってから、それが手元のレバーで動く「電動車椅子」というものだと知りました。

また別の若者は「僕の足は病気でもう一生動かないから、自分の身体のサイズにぴったりとフィットする特別な車椅子に乗っているんだ」と語ってくれました。それは、背もたれが低く、車輪に角度がついた、とてもスポーティーでかっこいい車椅子でした(のちに脊髄損傷の方が乗るアクティブ車椅子だと知りました)。

その言葉を聞いたとき、「自分は怪我が治って歩けるようになるまでの『今だけ』車椅子を借りて乗っているけれど、世の中にはもう二度と歩くことができず、一生を車椅子と一緒に生きていく人もいるんだ」という厳粛な事実を、子供ながらに肌で感じ、深く心に刻まれるものがありました。

【体験談】あの4ヶ月が教えてくれた、義肢装具士としての使命

義足

その後、懸命なリハビリ期間を経て私は無事に自分の足で再び歩けるようになり、中学校、高校へと進学し、やがて自分の将来を決める進路選択の時期を迎えました。どんな仕事に就くべきか大いに悩みましたが、私の心の中には、あの幼い日の経験から「将来は医療やリハビリに関わる仕事をして、誰かの役に立ちたい」という強い想いがずっと消えずに残っていました。

しかし、医療の世界には本当にたくさんの職種が存在するため、どれを自分の生涯の仕事にすべきか、なかなか決めかねていました。そんなある日、私は「義肢装具士(ぎしそうぐし)」という、少し特殊で素晴らしい職業の存在を知ったのです。失われた手足の代わりとなる義手や義足、身体の機能をサポートする装具を作るだけでなく、車椅子や杖といった福祉用具の選定や適合までを専門的に行い、患者さん一人ひとりに合わせていくものづくりの仕事です。

その瞬間、私は「これだ!私が探していたのはこの仕事だ!」と身体に電気が走るような衝撃を受けました。私が小学生の時に経験した、あの車椅子とともに歩んだ激動の4ヶ月間は、私がこの道へ進むために神様から与えられた、絶対に不可欠な試練であり財産だったのだと確信しました。

入院中、本当に色々な人と出会って、たくさんお話を聴いて、医療従事者の方々に温かくお世話になって……。大好きな学校に行けなかった時期は子供心に本当に寂しくて辛かったですが、それ以上に、私の人生にとって何にも代えがたい大切な経験を得ることができたと思っています。

あの頃の車椅子は、天井しか見えなかった幼い私に「外の世界へと飛び出す希望」を与えてくれました。そして医療のプロとなった現在の私にとっては、患者さんに寄り添うための「大切な使命」と「忘れてはならない初心」をいつでも思い出させてくれる特別な存在です。私の人生を語る上で、車椅子はこれからも一生、切っても切り離せない最高の相棒です。

車椅子卸センターからのアドバイス

小学生のときのご自身の怪我の体験から、現在の「義肢装具士」という医療・福祉を支える素晴らしいプロフェッショナルな道へ進まれたという素晴らしい体験談を寄せていただき、心より感謝申し上げます!

お話にありました通り、誰しも突然の怪我や病気でベッドから動けなくなることは、想像を絶する不安とストレスを伴うものです。
そんなとき、初めて車椅子に乗って「見える景色が天井から世界へと広がった」という瞬間の喜びは、福祉用具が人に与えることのできる『自由と希望』の価値そのものを物語っています。
また、病院内で様々な車椅子ユーザーと触れ合い、それぞれの人生があることを子供ながらに感じ取られたお姿は、まさに現在の義肢装具士としての優しい眼差しや、患者様に寄り添う心の原点になっているのだと強く実感させられました。

今回の体験談で登場したような、怪我の療養期間中や病院内での移動、リハビリの初期段階において最も多く活躍するのが、 自分で漕ぐことも後ろから押してもらうことも可能な「自走介助兼用車椅子(じそうかいじょけんようくるまいす)」です。
このタイプの車椅子は、病院や施設での定番モデルとして広く採用されており、頑丈で安定性が高く、初めて車椅子を操作するお子様から大人の方まで、簡単に使いこなせるようになるのが大きな特徴です。(※病院内の平坦場所ではブレーキのない自走式もよく利用されています)
自分で車輪を回して進む楽しさは、歩行への意欲やリハビリへの前向きな気力を引き出す素晴らしいきっかけになります。

「急な怪我や手術で、退院後しばらくの間だけ使える使いやすい車椅子を探している」「初めて車椅子を操作する家族のために、 病院で使っているような標準的で安心できる兼用モデルを選びたい」など、大切なご家族の自立と移動を支える車椅子選びで迷われた際は、ぜひ車椅子卸センターへお気軽にご相談ください。

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