私の妹が今年、足を骨折してしまいました。
病院の診察で骨折がわかって、すぐにその日に手術をして緊急入院をし、今も自宅で療養しています。
妹は数年前まで病気の治療の為、長期に渡って入院をしていました。
その長期の入院生活では日常生活とは異なる空間、病気の治療もあって体を動かす機会が極端に少なく、骨がもろく弱ってしまっていたのが骨折の原因でした。
長期の入院といっても妹は入院中大きな手術を受けるなどの治療ではなかった為、今回の骨折での手術が人生で初めての経験でした。
手術後の妹に合うと突然の事で本人も不安で仕方が無かったのでしょう、顔が強張っていました
そんな妹が乗っていたのが病院では多く利用されているであろうスチール製の車イス、座る部分や足、背中などの体が触れる部分がビニール製のカワムラサイクルの車イスだったと思います。
標準体型より少し太っている妹の体を、しっかりと支えてくれるパワーのある車イスでした。
それまで、私自身も街中などで車イスに乗った方を見かける機会はあっても、実際に押したり触ったり身近に感じられる事はほとんどありませんでした。
なので実際に押してみると乗っている本人に負担が無いように、ものすごく神経を使う事や乗っている本人自身が、車イスを操作する時にもとても神経を使っていることがわかりました。
妹の場合、足の骨折の手術後でしたので、固定された足を真っすぐに前へ突き出している状態で車イスに乗っています。
なので、健康な状態での距離にの感覚でいると、壁や物にぶつかったりしやすくなってしまうんですね。
そんな妹の車イスでの入院生活の中で面会時などに、私が妹の車イスをぶつけないようにと緊張しながら押している時にすれ違う人の中には、危なくない距離を保ってくれる人もいました。
それだけでもとても助かるのですが、病室へ戻る際のエレベーターでは多くの人が何階へ行きますか?など声をかけてくれたり、私達が降りる際にはエレベーターの扉を開けて降り切るまで待っていてくれたりと、とても助けられました。
小さなことですが、とても助かるのです。
その中でも特に印象に残る一声をかけてくださった方がいました。
私達が降りる階でエレベーターのボタンを押してくれている方がいました。
申し訳なさそうに私達が「すみません」と頭を下げながら降りていると、ボタンを押してくれていたその方が「ゆっくりで大丈夫ですよ」の言葉をかけてくださいました。
この一言にその人の優しさをすごく感じました。
病院という場所柄、その方も体調が悪かったのかもしれないのに、もしかしたら大切な誰かの面会へ急いでいたのかもしれないのに、私達を気遣いながらも負担にならないようにと、きっとあの一言をかけてくれたんだと思っています。
自然と手助けができて自然とあの一言が出てくるなんて素敵な方だなと思いました。
今回の妹の骨折で車イスという存在が身近になった事で、車イスの扱いの大変さ、苦労が実感できました。
きっと自分の身近ではなかった時には、頭ではなんとなく大変だろうなとわかっていたようで、実際にはわかっていなかったんだと思います。
だから、なかなか、どうしたらいいのかわからなかったりして、車イスの方への配慮や手助けができなかった時もあったかもしれないなと考えました。
その本人の全部を理解できなくてもいいのです。
車イスの仕組みを全部わかっていなくてもいいのです。
それでも周りの人達が出来る事があります。
少し手を差し伸べる、それだけで本人にとってはとても大きな助けになるんですよ。
我が家では手術、入院もした妹の件では家族総出で大変な時期ではありましたが、それをきっかけに車イスに触れて色んな事に気づかせてもらえたと感じています。
© 2013-2023 Next care innovation Co., Ltd.