私の母は約10年前に交通事故に合い、それから車椅子生活になりました。
事故当時、母は半年間入院し、その間に検査やリハビリも行いましたが、やはり歩ける事は無く障害者手帳を申請し車椅子生活になりました。
生まれつき等ではなく、いきなりの交通事故での車椅子になったので、最初はとにかく本人も慣れるまで時間がかかり、よく車椅子ごと転んだりしていました。
入院中でも車椅子の練習をしていましたが、まず車椅子にベッド等から移行する、と言うところが上手く出来ずバランスを崩したりしていました。
車椅子のストッパーを止めていたとしても、やはり慣れていない者が足に全く力が入らない状態で移行しようとすると、 手に力が入り過ぎてしまい車椅子が動いてしまう時も多々ありました。
病院では必ず誰かが居たので何か危ない事があれば、すぐに誰かが助けてくれていましたが、退院すればそうはいきません。
当時住んでいた家は古い市営団地でバリアフリー等は無く、全く「車椅子生活」には向いていない家でした。
事故だったので保険なども使い、当時の家では家用、外用の手動車椅子を2台購入しました。
この頃困ったのは母の体型がコロコロ変わってしまい、車椅子のサイズもまたピッタリ合わなくなると言う事でした。
いきなりの環境の変化、ストレス等で3ヶ月事に太ったり痩せたりを繰り返していました。
太れば車椅子の幅が狭くなり座っていると足などが車椅子に当たってしまい痛くなる。
痩せれば、次は幅が出来て過ぎてバランスが悪くなって体が横に大きく振られる、と言う物でした。
足の踏ん張りが効かない分、バランスが悪くなると怖く感じるようになっていました。
母にとってもそうですが、私にとってもそれは車椅子の意外な盲点に思えました。
この時、車椅子への希望としては「いつか車椅子の幅を自分で自由自在に調節出来る機能が付けば良いのに」と言う事が1つ。
そして押す側としての希望で「車椅子の高さを変えるのは大変だから、 持ち手の部分で高さを調節しながら尚且、押しやすい安全な車椅子を作って欲しい」と言うものでした。
車椅子の高さ、は変わらないですが「押す側の身長」は変わるので、 やはり腰等に負担がかかり疲れが増す時が多々あります。
利用者、介助者共に負担が軽減出来る車椅子、がやはり一番の理想ではあります。
数年後、家を引っ越し電動車椅子も購入。
ところが電動車椅子はやっぱり重さがあり、なかなか使用しにくい事が分かりました。 これはあくまでも母だけの意見ですが、電動車椅子は重さや大きさがネックになってしまい合わなかったようです。
母と出掛ける時は、買い物をする際等は、私はほとんど母から離れます。 出来る限り一人で何でも出来るように、何かあった時に身内の私では無く、 全くの他人の方にでも自ら何かをお願い出来るように。
母からよく話しを聞くのですが、高い所の物を取ってくれた、レジまで車椅子を押してくれた、 荷物を持ってくれた等、他人様の親切や暖かみに触れる事も多いようです。
健常者の方々だけで無く、同じ車椅子の方々ともいろんな触れ合いがあるようで、ある時母がスーパーの中で 困っている時に同じ車椅子の方から「そうゆう時はこうした方が良いよ」とアドバイスを頂いたそうです。母は、とても喜んでいました。
今でも車椅子のパンフレットやインターネットでも最新の車椅子等の情報を見るようにはしていますが、 周りから割りとよく聞く意見の1つで「年々、機能性は高くなってるのにデザインの クオリティーが上がっていない」と言う意見を聞く事があります。
女性はやはりどんな時でも、どんな物であれ「可愛い物、綺麗な物、オシャレな物」が理想のようです。
もちろんの事、クオリティーの向上も求めているようですが。(女性はいつなんどきワガママな生き物ですね...笑)
まだまだ「障害者」と言われる方々が過ごしやすい世の中、とは程遠い日本。
外食1つするしても、階段やトイレ、スペース等を気にかけておかないとスムーズには行動出来ません。
お店が少しでも混んでいれば、迷惑そうな顔をさてしまう事も少なくありません。
実際に障害を持つ家族がいつ者としては、 うわべだけの「障害者と健常者との差を無くそう」と言うパフォーマンスは、もう止めて欲しいものです。
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